就業年齢(18~64歳)の障害者数は、身体障害者111万人、知的障害者41万人、172万人、計324万人。推移をみると身体障害者は、昭和62年をピークに減少を続けています。また、精神障害者は横ばい。いずれも17歳以下の若年層も減り続けているため、今後の増加は見込めない状況にあります。
一方、知的障害者は、平成17年から23年の6年間で13万人の大幅な増加をみせ、しかも若年層も同様に増加傾向を示すことから、今後もさらなる増加が見込まれています。
現在、障害者の雇用対策は、障害者の雇用の促進等に関する法律(以下、「障害者雇用促進法」といいます)の法改正によって、様々な施策が具体化されています(図表1)。
近年、障害者の就労意欲は急速に高まっていますが、雇用が十分に進んでいるとはいえない状況です。
たとえば、障害者が通う特別支援学級を卒業しても、就職できるのは3割程度にすぎないといわれています。
雇用する常用労働者に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合が一定率(法定雇用率)以上になるようにします。
「常用労働者」とは図表2のような労働者を指します。
週所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者は0.5人としてカウントします。
法定雇用率の算定における障害者数のカウントの仕方は、労働時間数や障害の重さによって異なります(図表3)。
民間企業の法定雇用率は2013年4月から2%に引き上げられます(図表4)。
したがって、常用労働者100人の企業なら2名、500人の企業なら10人の雇用義務があります。なお、常用労働者数に法定雇用率を乗じた数が1に満たない場合、障害者の雇用義務はありません。したがって、現在、常用労働者数50人未満の企業には雇用義務がありません。
法定雇用率を達成していない企業のうち、常用労働者数200人を超える場合(2015年からは100人を超える場合)については、不足する人数1人につき、月額5万円の「障害者雇用納付金」を納めなければなりません。ただし、一部の企業については図表6の減額特例があります。
一方、常用労働者数200人超の企業で法定雇用障害者数を超えて雇用した企業には障害者雇用調整金(超過人数1人につき月額2万7,000円)を支給します。
また、常用労働者数200人以下で一定の支給要件を満たしている企業には障害者雇用報奨金(超過人数1人につき月額2万1,000円)を支給します。